目次
『苦しかったときの話をしようか』について
基本情報
『苦しかったときの話をしようか』は、著者自身の苦しい経験を元にして書かれた本です。
著者の森岡さんは、低迷期にあったUSJを人気テーマパークへと立て直したことで知られており、テレビでもよく見かける方です。
森岡さん自身の失敗や挫折、そしてそこからどのように立ち直ったかを詳しく語り、あなたらしい生き方や考え方を見つけるヒントを与えてくれます。
ポイント
タイトル:苦しかったときの話をしようか
著者 :森岡 毅
出版年 :2019年
ページ数:308ページ
出版社 :ダイヤモンド社
概要について
本書はこんな方々におすすめです!
キャリアに悩んでいる社会人
就活中、就活を控えている学生
未来に漠然とした不安がある
自分に明確な目標が持てない、漠然と人生が不安
本書の概要についても記載します。
メモ
「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」
と悩むあなたに贈る必勝ノウハウ。
悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる!
USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。
後半の怒涛の展開で激しい感動に巻き込む10年に1冊の傑作ビジネス書!
森岡毅さんの経歴
森岡毅さんは、日本のトップマーケティング専門家として知られています。
彼は数多くの企業で成功を収め、特にテーマパークやエンタメ業界での実績が豊富です。
彼のキャリアは波乱万丈で、多くの困難を乗り越えてきました。
- 代表的な業績としては、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの経営再建があります。
- 森岡さんは、P&Gやエステーなどの大手企業でもマーケティング戦略を担当しました。
- 数々の書籍を執筆し、マーケティングやビジネスの知識を広く伝えています。
彼の経歴は、まさに挑戦と成功の連続であり、どんな困難にも立ち向かう姿勢が多くの人に影響を与えています。
以下に人柄が分かるYouTubeリンクも掲載しておきます!
『苦しかった時の話をしよう』要約
残酷な世界と希望
残酷な真実
人間は、みんな違って、極めて不平等なのだ(P52)
人間はみんな平等である、と小学校から教わってきたがそれは違うと著者は言っています。
考えてみれば明らかです。
身長差、太りやすさの体質、運動神経、疾病に罹患しやすいかどうか、貧富の差、生まれながらのハンディキャップのある方もいます。
当人の責任とは全く関係なく、人は一人ひとり違っています。
身もふたもない話に聞こえてしまうかもしれませんが、著者からするとこの事実はわくわくさせてくれるものだといいます。
なぜなら、
一人一人が自身の特徴を認識できれば、一人一人が特別な価値を生む可能性があるから。
希望は何か
そんな神様のサイコロで私たちの特徴が決まってしまう残酷な世界です。
ただ、そんな中でも希望があります。
それは自身で『選択ができる』ということです。
選択肢を持っているのは自分自身しかいません。
そして、コントロールできる変数が3つあります。
ポイント
①己の特徴の理解
②それを磨く努力
③環境の選択
他人と比べる必要などなく、あなたのやるべきことは、『生まれ持ったものを最大限生かすこと』だけです。
本書の最も伝えたいところは、以下の言葉に集約されると思います。
ココがポイント
この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!
この残酷な世界のなかで森岡さんが伝えたいのは、「それでも選択はできる」ということと「資本家の世界を見据えたパースペクティブ(見方)を持つこと」。
資本社会である以上、不平等や格差は当然あります。
「会社に雇われる」という感覚ではなく、雇う側の立場も考えてみる。
自分が選ばれる世界もあるという、視座や視点を変える認識を持つことが大切になってくるということです。
自身の強みを見つけること
『①己の特徴の理解』つまり自身の強みを見つけるにはどうすればいいのか。
本書で書かれている方法を解説します。
自分が好きだった「○○すること」(動詞)を50個~100個ほど付箋に書き出す
例えば
●騎馬戦で戦略を考えること
●朝にランニングをすること
●イベントの幹事を務めること など
ちなみに集まるものはだんだん似通ってくるのですが、重複は全然問題ないです。
どんどん書き出して、事実を可視化するのが大切です。
付箋をT・C・Lに分類する
TLCとは、ビジネスパーソンとしての基礎能力のこと
ポイント
●Thinking(考える力/戦略性が強みになる)
●Communication(伝える力/人と繋がる力が強みになる)
●Leadership(変化を起こす力/人を動かす力が強みになる)
それぞれのタイプの特徴は以下の通りです!
Thinking(考える力/戦略性が強みになる)
動詞の例
考えることが好き、問題を解くのが好き、人と議論をすることが好き、
勉強することが好き、分析をすることが好き、知ることが好き
Tの人の傾向
知的好奇心が満たされるものが趣味になっている
暇になると無意識に課題を設定して頭を使って遊んでいる
Communication(伝える力/人と繋がる力が強みになる)
動詞の例
友達や知り合いが増えることが好き、人と会うことが好き、話すことが好き、
話を聴くことが好き、SNSで多くの人と繋がることが好き、
パーティーや飲み会に参加するのが好き
Cの人の傾向
人脈作りが趣味のようなもの
コミュニケーション能力と社交性が高いのが特徴
Leadership(変化を起こす力/人を動かす力が強みになる)
動詞の例
何かを達成することが好き、高い目的を定めて挑戦することが好き、
仕切ることが好き、大きな変化を起こすことが好き
Lの人の傾向
達成感を味わうことが生きがいなので趣味もその嗜好を反映したストイックなものが多い
とにかく挑戦すること達成することが大好き
苦しかったときの話
劣等感に襲われるとき
森岡さんは新卒でP&Gに入社。(凄いエリート…!)
それまで神戸大学の時も主席相当で卒業し、学生時代は成績が悪かったことはなかった。
いつも集団の中の「できる方」のグループにいた。
入社当時の上司は、土日だろうがおかまいなく仕事について考えるタイプで、しっかりと成果を出していたそうです。
その通りにやることで自分も成果が出ると思ったら身体が追い付かず、今振り返ると精神的に参ってしまっていたと思うとのこと。
その後、上司とも話して自分のペースで仕事も普段の生活もするようになると、それまでの不調が嘘のような活動ができるようになったのだとか。
今までできる側でいた人が、急に環境が変わり、周りもできる人が多いと劣等感に苛まれてしまうこともある。
とても苦しい経験だったと思います。
そんな経験を振り返ると、以下の考えを持っていくといいと述べています。
メモ
潰れないためには、最初から肩の力を抜いて、最後尾からスタートする自分を予めイメージして受け入れておくべきだ(P226)
無価値だと追い詰められるとき
「パンテーン」というP&Gのなかでもメジャーブランドでしかも北米というエリアでのブランドマネージャーになったときの経験。
ここで待っていたのは、いわゆる「いじめ」
(会議の予定や重要な情報が回ってこない、あることないことを吹聴されるなどの行為)
ネイティブのようには話せない日本人が、北米でブランドマネージャーをやることに、競争意識や嫉妬があったようです。
同僚に「お前は無価値だ、お荷物だ、顧客との会議に出るな」と罵声を浴びせられ、会社に行きたくないという気持ちになったとのこと。
朝方までベッドにもぐりこんで、会社に行かない選択肢もあったそう。
ただ、自分の中で迷ったときは厳しい道を選ぶことを自分の信条として掲げていた森岡さん。
自分の中で気持ちを振り切って、何とか結果も出せて乗り越えることができたとのこと。
この苦しい経験から学んだことは以下のこと。
メモ
大切なことは自分の強みで戦うしかないことと、自分の強みを知っておくことの2つ(P257)
著者から読者へのメッセージ
森岡さんから読者へのメッセージもご紹介します。
著者メッセージ
人生100年時代といわれるこれからの世界で生きて行く君たちにとって、
長い人生をどうすれば生きがいを持って、
充実して生きて行くことができるのだろうか?
挑戦しないクセがつくと、きっと長い人生を退屈になるのではなかろうか?
だから不安と向き合って共存する道を私は勧める。
いつ始めてもその時点からの人生を輝かせられることを考えると、遅すぎることはないはずだ。
不安をいだいて初めて人は成長する、
大人になっていく、パースペクティブは広がっていく。
不安な君は、自分の世界への旅を、すでに自分の足で立ってスタートしているのだ。
そこで見始めた君の景色こそが、君の世界だ。
Welcome to your world!と言ってあげたい。
これらの教訓を心に留めて、日々の生活に活かしていきましょう!
森岡さんの経験談を通じて、自分自身の成長と成功に向けて一歩踏み出しましょう。
口コミと評価
口コミと評価も確認していきましょう!
書店に足を運ぶと、上位のランキングに載ってくる本書なのでいい口コミが多いです!
この本めちゃくちゃ良かった。
・【No,150】苦しかったときの話をしようかhttps://t.co/KFcil8PeOK
イシコさん@newsalaryman_21
ご推薦いただきありがとうございました。— AKIOBLOG (@AAAKKKIIIOOO) February 15, 2020
行動力がすごいAKIBLOGさんも過去におすすめされていました!
使用人目線ではなく、経営者目線で物事を見ることをおすすめしている本書なので、様々なことを行動に移している人には、響きそうですね!
私が新入社員から「社会人として読んでおくべき本は?」と聞かれたときにお勧めしたい本↓
・メモの魔力
・影響力の武器
・入社1年目の教科書
・論点思考、仮説思考
・金持ち父さん貧乏父さん
・新版 財務3表一体理解法
・苦しかったときの話をしようか
・3秒で伝える コンサルが使う会話術— Kaz (@Kazneedscaffein) November 21, 2024
Kazさまのおっしゃる通りで、新社会人にぜひ読んでほしいと私も思いました!
できれば早い年次でこの本と出合っていただきたいなと思います!
『失敗しない人生が最悪の失敗』言葉がぶっ刺さる!
本書は、考え方に非常に学びを受けた本の一つです。
●世の中は平等ではないという事実
●資本主義が続く限り、社会は発展していくだろう
●失敗しない人生そのものが最悪の失敗ではないのか
●結果を残す優秀なプロは、努力できる好きなことを見つけられた発見の成功者
など印象的なフレーズや考え方を学ぶことができました!
特に投資についても、森岡さんの資本主義の話は役に立つと感じました。
また私自身も元々保守的な考え方の人間でした。
入社した会社で一生勤め上げるものだと思っていました。
しかし、このまま今の会社に勤めて、今見ているような上司と同じような人生を歩むのかと先が暗く見えた時に、どんどん新たなことに挑戦したいと次第に感じるようになりました。
その意味で
失敗しない人生そのものが最悪の失敗
という考え方は非常に共感できました。
特に、就活中や企業に勤める若手層に読んでもらいたい本です。
人生をコントロールできる選択肢を持っているのは自分だけです。
やりたいこと、チャレンジしたいこと、どんどん行動に移して自分の強みを伸ばしていきましょう!
人生はあっという間に終わってしまいます!
ブクログで他の本の感想なども書いているので、以下の記事もご参考にしてみてください!