目次
医療保険は本当に必要?FPの視点から解説
医療保険は、病気やけがのときに金銭面での困難を助けるための保険です。
しかし、この保険が全ての人に必要なものではないと考える人も増えています。
そこでFP1級資格者からみる考え方をみなさんにも共有できればと思っています。
この問題を考える上では、下記の点が重要な視点になります。
ポイント
医療保険の仕組みを理解する
医療保険が実際に必要な場面とは何か
貯蓄で実際に対応できるかどうか
これらを明確にすることで、その人のライフスタイルに合った選択をすることが出来ます。
医療保険とはどんな仕組みか
医療保険とは、病院に行って、入院や通院したときの医療費に備えるための給付金を支払う制度です。
例えば、医療保険に入って、月々きちんと保険料を支払っていると、実際に医療費が必要になったときに、設定した保障額分のお金を受け取ることができます。
病院に行った時の診療明細書や診断書で所定の状態になれば、給付金を受け取ることができる
病気の内容によって受け取れる給付金は異なる

医療保険を使う場面はどれくらい?
医療保険が必要となる場面は、実際のところそれほど多くないこともあります。
基本的な保障は、入院か手術をしたときに支払われるものです。
たとえば、いかのような場面がそれに当たります。
ポイント
大きな手術が必要な場合
長期的な入院がとなる病気
健康保険適用外の医療サービスを利用する場合
しかし、死亡保障ではなく、医療保険を活用する場合は、高額療養費制度や自分の貯金で対応できることが多いです。
つまり、自身の財布事情と相談しながら、真に必要かを考えることが重要です。
貯金で備える医療費の考え方
病気やけがをしたときに、医療費がどのくらいかかるのか心配される方は多いでしょう。
そのため、医療保険に加入している人も少なくありません。
しかし、実は貯金で備えることも可能です。
医療費に対する正しい知識を持ち、適切な準備をすることで、医療保険がなくても安心して生活することができます。
医療保険がカバーする金額を知る
医療保険は、病院でかかった費用を補うためのものです。
しかし、保険が実際にどの程度の金額をカバーするのか理解しているでしょうか。
ポイント
公的な健康保険がある
日本では、公的な健康保険に加入していれば、医療費の自己負担は通常3割です。
日額保障の落とし穴
多くの医療保険は、1日あたり○○円と決まった金額を支給するものが多いですが、実際の入院費用と比べると過不足が生じることがあります。
特約が増えると割高になる
がんや三大疾病に備えた特約をつけると、月々の保険料が高くなります。
医療保険に加入しても、すべての費用を補えるわけではありません。
自分で必要な保障を見極めて、保険料の比較をしたうえで、貯金で備えることも十分可能です。
貯金があれば医療保険はいらない理由
医療保険に加入しないと不安に感じるかもしれませんが、貯金があれば不要になる理由を具体的に見ていきましょう。
医療費は意外と高額ではない
例えば、3割負担で10万円の治療費がかかった場合、自己負担額は3万円です。
ある程度の貯金があれば対応可能です。
毎月の保険料を貯金・投資に回せる
仮に月1万円の保険料を支払っているとすると、年間12万円、10年で120万円になります。
これを貯金・投資すれば、医療費に備えることができます。
一般的な医療保険は掛け捨てのタイプになります。
一部積立タイプのものもあるので、今一度保険証券など確認してみましょう
高額療養費制度が助けてくれる
医療費が高額になった場合、公的な制度を活用することで負担を減らすことができます。
その代表的なものが「高額療養費制度」です。
高額療養費制度とは何か
高額療養費制度とは、医療費の自己負担が一定額を超えた場合、その超過分を支給してもらえる制度です。
適用される条件
同じ月に同じ医療機関で支払った自己負担額が、一定の上限を超えた場合に適用されます。
収入によって上限が異なる
例えば、一般的な所得の方なら、自己負担の上限額は約9万円程度です。
【高額療養費制度の所得区分(70歳未満)】
所得区分 | 目安年収 | 自己負担限度額(月額) |
---|---|---|
ア | 約1,160万円以上 | 252,600円 +(総医療費-842,000円)×1% |
イ | 約770万~1,160万円 | 167,400円 +(総医療費-558,000円)×1% |
ウ | 約370万~770万円 | 80,100円 +(総医療費-267,000円)×1% |
エ | 約370万円以下 | 57,600円 |
オ | 住民税非課税世帯 | 35,400円 |
※ 1年間で3回以上高額療養費を利用すると、4回目以降は自己負担限度額が下がります
(「多数回該当」の適用)。
申請すれば戻ってくる
一時的に支払う必要がありますが、後から申請すれば払い戻しを受けられます。
事後申請の場合
医療機関で支払った後、加入している健康保険(協会けんぽ、国民健康保険など)に申請し、払い戻しを受ける。
事前申請(限度額適用認定証)
事前に「限度額適用認定証」を申請すれば、病院の窓口での支払いが上限額までに抑えられる。
高額療養費制度の利用例を解説
具体的な例を挙げて、高額療養費制度の活用方法を説明します。
一番所得のゾーンが多い、『370万~770万』で考えてみましょう!
治療費50万円の場合の計算
総医療費=50万円(自己負担3割を考慮せず、保険適用部分を考える)
自己負担限度額の計算
=
=82,430円
実際の支払い額
●窓口での支払い(3割負担)
50万円 × 30% = 150,000円
●高額療養費制度の適用後の自己負担
82,430円
●払い戻される金額
150,000円 - 82,430円 = 67,570円(後日払い戻し)
制度を活用するとこうなる
治療費50万円かかった場合でも、高額療養費制度を利用すると、自己負担は82,430円まで抑えられます。
ただし、入院費の食事代や差額ベッド代は対象外なので注意が必要です。
医療保険を不要と考える理由
医療保険に加入せずとも安心できる理由を、さらに掘り下げて考えていきます。
保険料の負担とリターンを比べる
医療保険は、毎月一定の保険料を支払い、万が一のときに給付を受ける仕組みです。
しかし、その負担とリターンを比較すると、必ずしも得とは限りません。
ポイント
長期間支払うと負担が大きい
例えば、月1万円の保険料を30年間支払うと、合計360万円になります。
給付を受ける可能性は低い
健康な人なら、一生涯で医療保険の給付を受ける回数はそれほど多くありません。
支払ったお金が無駄になる可能性
貯金なら自由に使えますが、保険に支払ったお金は使えません。
このように、長期間の視点で考えると、医療保険のコストとリターンは見合わないことが多いのです。
保険がなくても安心できるポイント
医療保険に加入せずとも、以下のポイントを押さえておけば安心できます。
ポイント
貯金をしっかり確保する
治療費に備えて、数十万円の貯金をしておけば、急な医療費にも対応可能です。
高額療養費制度を活用する
医療費が高額になっても、自己負担額は一定の範囲内に収まります。
公的な支援制度を知る
傷病手当金など、病気やけがで働けなくなった場合の支援制度もあります。
このように、医療保険がなくても、正しい知識と備えがあれば、十分に安心できます。
評判・口コミ
医療保険に関する評判や口コミを見ていきましょう!
国の介護保険だけで足りるのか? 民間の介護保険に入るべきか?保険のプロが「民間の保険は不要」と断言するのは、なぜか? https://t.co/xBFAFPZhd4
— 日経BOOKプラス (@nikkeipub) May 14, 2024
日経BOOKプラスで、私と似ている考えの記事がありました。
保険は、万が一起きてしまったときの経済的損失が大きいものにこそかけるものだと思っています!
民間の保険に入る前に、公的保険の理解を深めておきましょう! pic.twitter.com/qnYG0DrWBc
— かく|20代 お金の使い方 (@kaku_money) December 10, 2024
民間保険を考える前に、公的保障(国の保障)を理解しておきましょう!
実は国の保障は結構手厚かったりします!
真に必要かは、国の保障を差し引いて、経済的にどうにもならなそうだと思った際に検討すればいいと思います!
結論:貯蓄が十分あれば医療保険は不要!先進医療やガン家系の方などは検討余地あり
いかがでしたでしょうか。
日本の学校教育では、お金の授業が圧倒的に不足しています。
そのため公的保障(国の保障)が充実しているのにそれを知らない方々が多くいらっしゃいます。
実際に高額療養費や健康保険を考えた時に、そこまで過剰な医療保険に入る必要があるでしょうか。
私個人的な考えをまとめます。
医療保険については、最低限の保障でいいと思っています。
先進医療は、使うことになった場合に全額自己負担になるのでマストです。
特に不妊治療などは最近多いので、先進医療を使用するケースは多いです。
特約部分の保険料も月数百円なので、つけておいて間違いないです。
またガン家系の方であれば、がん一時金特約を付けておくといいでしょう。
一時金は診断されたときに支払われて、使用する用途は何でもいいところが魅力です。
心臓病や脳疾患を患った方がご親族などにいる方は、三大疾病特約もつけておくといいと思います。
究極の理想
主契約+先進医療特約(月々2,000円以下くらいで用意できるはず)
※もちろん年齢によるので、あくまで目安です
必要に応じて、がん一時金、三大疾病一時金を付けるといいと思います。
トータルでどんなに高くなっても月々5,000円くらいがいいと思います。
医療保険は国の保障に任せて、働けなくなった時や亡くなってしまったときのような、低頻度だけどなった場合に高リスクのものに保険は手厚くかけるべきだと考えています。
そのため起きる確率は高いが、経済的損失リスクが低い医療保険の必要性は低いと考えます。
↑ 高リスク(経済的損失大)
│ ● 死亡保険
│ ● 就労不能保険
│
│
│
│
│ ● 医療保険
↓ 低リスク(経済的損失小)
────────────────→ 高確率(発生しやすい)
家系の大切な支出管理の参考になれば嬉しいです!
他の記事もぜひ見てみて下さい!